近年、メンタル不調による休職者が増加傾向にある。休職理由の実態を調査すると、個人の問題というよりも、職場環境に起因するものが多く、日本の社会全体が抱える深刻な問題を浮上させている。
とある調査によると、休職理由として最も多かったのが、人間関係の問題だった。上司との関係や同僚との対立、チーム内のコミュニケーション不足など、人と人との摩擦が大きなストレスとなり、心が疲弊したケースが目立つようだ。特に、接客サービスや多職種連携が求められる現場などは、人間関係が複雑に絡み合い、立ち回り方が難しいだろう。個人の努力だけでは解決できない人間関係の悪化が、働く意欲を失わせているのだ。
次に深刻なのが、ハラスメントである。パワハラ(パワーハラスメント)やセクハラ(セクシャルハラスメント)といった行為は、被害者の尊厳を著しく傷つけ、心身に大きなダメージを与える。企業側がハラスメントを放置したり、対応が遅れたりすることで、当人の心身状態が崩壊し、休職へと追い込まれるケースが多い。ハラスメントは、決して見過ごしてはならない、職場の倫理的な問題である。
また、過剰な業務量や長時間労働も、休職の大きな原因となっている。業務量の増加による疲労の蓄積は、やがて心身の限界を迎えさせる。この現状を変えるためには、国をはじめ企業や組織による抜本的な改革が必要だ。社会人の健康を守るためには、ストレスケアの推進やICT化などを含めた業務の効率化と人材配置の是正、そしてハラスメントを許さない組織文化への改革が急務といえるだろう。