感情労働者に欠かせないセルフケア

人の感情に寄り添い、自分の感情をコントロールしながらサービスを提供する仕事は「感情労働」と呼ばれている。感情労働は、医療福祉や接客サービスといった分野で働く人にとって、避けて通れない労働の在り方だ。どんなに感情が動いても、相手の期待に応え、常に笑顔で親切に対応し続けることは、心に大きな負担をかける。

特に医療福祉の現場では、医療・介護のプロとして冷静さを保ちながら、患者や利用者に寄り添うことが求められる。一方、接客サービスの現場では、ときおり遭遇する理不尽なクレームにも冷静に対応しなければならない。これは業務上、仕方のないことだが、こうした状況が続き、きちんとケアができていなければ、心のエネルギーが枯渇してメンタル不調を引き起こすリスクが高まってしまう。心の健康を守りながら働くためにも、一層入念なセルフケアが欠かせない。

感情労働者が身につけるべきスキルの一つが感情コントロールだ。これは、感情を押し殺すことではなく、自分の感情を客観的に認識し、仕事上の役割と切り離して対処する能力だ。業務中にネガティブな感情が湧いたとき、すぐに反応するのではなく、ひと呼吸置いて「これは仕事上の感情だ」と割り切る意識を持つことが重要となる。また、仕事が終わったら、意識的に感情コントロールのスイッチを切り、趣味や運動など、心から楽しめるものに没頭するメリハリをつけるのが理想的だ。「イライラしやすい」「切り替えができない」という人は、ぜひ感情コントロールのやり方を押さえておこう。